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【導入事例】新しいModelyの活用方法を実践!SLAM技術ハンディスキャナによる点群取得を試行!(今井産業株式会社)

今井産業アイキャッチ

恵まれた自然環境と豊富な森林資源を生かして、豊かな郷土"島根県"の発展に寄与したい。そんな願いから始まった今井産業株式会社。技術とノウハウを生かしながら、故郷の未来の可能性や、さらに広く県域を越えた社会環境の充実に向けて挑んでいる同社に、いち早く導入いただいたModelyの活用方法と、新しい取組みへの挑戦についてお伺いしました。今回は同社のパートナーとしてICT技術のサポートをしている株式会社山陽測器にも同席いただきました。

左から
板倉様(山陽測器)
佐々木様(今井産業)
原田様(今井産業)
服部様(今井産業)
徳富様(今井産業)
江藤(DataLabs)

 

ICTの内製化を山陽測器とも協力しながら推進

ーまずはじめに今井産業がどのような会社か教えてください

徳富さん:業種としては総合建設業です。創業96年目を迎えております。主に、建築、インフラ整備を中心とした土木、舗装事業の3部門を軸にしています。施工実績は1万件以上になります。

インタビュー冒頭(今井産業)

ー本日は山陽測器様にもご参加いただいていますが、今井産業と山陽測器の関係性について教えてください

板倉さん:かなり昔からお付き合いさせていただいておりますが、新しい技術を積極的に採用いただいてることもあり、今まさに関係性がより深くなっているかなと思います。

佐々木さん:一番初めは、3次元測量の取組みを始めた5~6年前に、UAVの機器を購入させていただきました。これをきっかけに、新しい商品の紹介やデモ等、様々な面でサポートしてもらっています。

板倉さん:業界的にも結構ガラッと変わった時期でしたね。

徳富さん:ICTは最初外注にお願いしていましたが、内製化ができればよりスムーズにICT施工が可能になると思い、機器の購入について山陽測器さんに協力を頂いていました。今では、内製化を実現できています。また、こういった流れの中で当社では若手を中心としたメンバーで技術推進室を設立し、現場へのICT導入を推進しています。

 

精度面の期待からModelyを導入

ーModelyを知ったきっかけについて教えていただけますか

佐々木さん:きっかけは配筋検査システムを導入してみようかと思ったタイミングで、ちょうどModelyのリリースについて山陽測器さんから紹介いただき、点群を活用するという点でおもしろいと考え導入しました。

他社製品の写真を使った配筋検査システムを展示会場で体験、情報収集する中で、まだ精度面に課題があると感じたのでModelyを選びました。

ー配筋検査システムを試そうと思われた理由としてはどのようなものでしょうか

佐々木さん:ロッドやマーカーを使った配筋検査は面倒な作業なので、それが快適に、効率的になるか試してみようと思ったからです。

今井産業会議様子

Modelyによる省人化、省力化を実現!アップデートによる性能の向上も評価

ーModelyを使用してみていかがでしたでしょうか

原田さん:省人化に繋がったと思います。検査の一連の流れについて、従来では複数名で行わなければいけなかったものに対して、1人で完結できるようになりました。

佐々木さん:作業にかかる時間も、従来管理より短い時間で実施できています。従来はリボンを張って、マーカーをつけて、とりづらい環境で写真を撮影し、非常に時間を要していました。Modelyを活用したことで従来手法との比較という観点では、効率的になっていると感じています。ただ、データ処理の担当者はデータ数が多いと大変だとは思います。

原田さん:一連の作業の中では、点群取得の部分は手間取る場面や時間がかかる場面もあったことから、様々な手法を試してみました。

板倉さん:最初はScaniverseで試していただいていて、その後Pix4Dも試していただきましたね。

原田さん:Pix4Dは大きな範囲をとる場合はスケールの安定性などScaniverseよりも良い面もありましたが、点群処理に時間がかかる点がネックだと感じました。Scaniverseについては、広い範囲をとろうと考えた時にスケールが不安定になりますが、点群処理の即時性が高く、その場で点群データを確認できる点が良いと思います。

双方試した結果として、配筋作業の合間で点群データを取得するという運用を考えた時に、即時性のあるScaniverseのほうが良いと考えています。

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佐々木さん:鉄筋のラップ長とかぶり厚の計測も問題なく出来ているよね?

原田さん:今は出来ていますね。

江藤:契約いただいた当初はラップ長の計測機能は実装されていませんでしたが、現在は実装されています。また、かぶり厚の検出精度も以前より向上しました。今回の現場ではご活用の機会がないかと思いますが、鉄筋かごの主筋・環状フープ筋の自動検出精度も向上しました。

佐々木さん:そうなるとほぼModelyで配筋管理が可能となりそうですね。あとは現場での写真管理として、鉄筋径の確認・測定状況を1箇所、組立状況写真ぐらいになりますかね。

原田さん:アップデートの頻度が多いのは良いと思います。使い始めたころと比較すると性能がかなり良くなっていますね。アップデートの連絡がきたらすぐに内容を確認しています。

これまでのアップデートでは、鉄筋の種別機能は本当に良かったです。鉄筋の種別ごとに名前をつけたり色分けしたりとグルーピングできるようになったので、管理が楽になりました。

現場によっては100~150本ぐらいモデル化することもあるので、鉄筋の選択のしやすさなど、今後さらなるアップデートを期待しています。

江藤:長期間Modelyを使っていただいている原田さんならではのコメントをいただき、嬉しく思います。今後も御意見をどんどんいただければと思います。

ー使用しているデバイスや計測の運用はどのようにされていますか。またどのような構造物工事でご活用いただいていますか

原田さん:現在はLiDAR付のiPhone ProとiPad Proを使用しています。先ほどの話の通り、点群取得アプリはScaniverseを使用しています。現場で点群取得をして、その場でデータが問題ないかを確認したうえで、モデル化や帳票作成については事務所に戻ってから作業をしています。

これまで活用した構造物は、ボックスカルバート、橋台となります。

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TLSやハンディスキャナなど様々な点群取得の手法を試行

ーさらに新しい点群取得の方法についても試されているとお伺いしましたが、どのようなことに取組まれていますか

原田さん:頂版などで活用できる部分は出来るだけ点群を取得し、それぞれの点群データをトレンドポイントで合成した上で、位置を合わせてModelyにとり込むといったこともしてみました。

点群画像1

原田さん:その他GTLでもとってみました(取得した点群データを見せていただく)。

板倉さん:これは綺麗にとれていますね。

佐々木さん:配筋全体の点群をとっておいて、コンクリート打設完了後に外観の点群を取得して重ねてみようと思っての取組みでした。正しく配筋されているか、きちんとかぶりが確保できているか確認できる点は良かったです。ただ、配筋の点群取得は結構時間を要したので、もう少し効率的とれるような改善が必要と考えています。

板倉さん:トータルステーションタイプのGTLなので、三脚に据えて使用します。一定の計測時間が必要なことや、足場に据えるとなると振動の影響もありますね。

点群画像2

原田さん:点群取得の効率化という点で一番最新の取組みとして、モバイルSLAM 3Dスキャナー X120GOも使ってみました。

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原田さん:SLAMであれば歩き回るだけで、広範囲を1回でとりきることが出来るので、そのデータの中で必要な箇所を抜粋しModelyにとり込むことも出来ます。抜粋にそれほど手間はかからないです。

板倉さん:SLAMについては、とれる範囲は時間で変わりますが、気持ちゆっくり歩くぐらいのスピードで20分歩いた範囲は、1回でとることができます。そのため、構造物の鉄筋という観点でいえば、とれない構造物はほぼないのではと思いますね。

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今井産業点群データ

原田さん:また、SLAMに関しては、ゴミなどもあまりなく、精度はかなり良かったと思います。GTLと比較しても楽に点群取得が出来ます。点群の量はGTLより少なくなりますが、十分な量がとれていると思います。座標を持っている点も、将来的な活用を考えると良いと思います。

ー様々な点群取得の手法を試された中で、どの手法が一番良いと感じていますか

原田さん:様々試した結果として、個人的にはSLAMが良いのではと思っています。まだ試行回数が少ないので断定出来ませんが、計測時間が5~10分、処理1時間程度で、広範囲を精度高く一気にとれるのは良いと思います。今後も試してみて、とり直しが発生しないようであれば、SLAMが良さそうかと思います。

ー色々な測量手法を理解してらっしゃる山陽測器さんとしてはどうでしょうか

板倉さん:座標情報を持っているということは今後重要になるのではないかと考えています。単純に配筋の出来形検査という観点だけであれば、座標情報は要らないですが、次工程での活用などを考えるのであれば、必要になってくると思います。そのため、配筋検査でも活用できる、次工程にも活用できるという両方が可能な点群取得の方法を選択するのが良いと思います。

更なるアップデートに期待

ー現在のModely評価についてはいかがでしょうか

原田さん:7点ぐらいかと思います。Modelyだけであればもっと点数は高いですが、点群取得には改善の余地がまだあると思います。

利用者の意見を取り入れその都度操作しやすくアップデートされているので、8点をつけたいところですが、期待を込めて7点とさせてください。

Modely

LiDAR付きのiPad等を活用することで点群データを取得し、その点群データを3次元モデルに変換することで、配筋検査における検査項目の実測値を自動で帳票化することが可能です。

NETIS登録技術であり、100社以上の企業にご導入いただいている実績豊富なサービスです。

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