大正3年に創業し、埼玉県深谷市を本拠地として100年以上の歴史がある古郡建設株式会社。新技術に対する前向きな取り組みや姿勢をお持ちの同社に、一早くModelyの活用を決めた理由や使ってみた結果などを伺いました。
左から
川北実穂 (DataLabs株式会社)
菊地慎吾 様(現場代理人)
小林重倫 様(土木部工事長)
荻野誠 様(土木部)
新技術などへの取組により魅力的な会社であると発信したい
ーまずはじめに御社がどのような会社か教えてください
小林さん:
はい、当社は大正3年創業、創業100年を超える建設会社です。埼玉県深谷市に本社を置き、公共土木工事、公共及び民間企業向けに建築工事、リニューアル工事を3つの柱として事業展開を行っています。
ー現場にはSDGsのマークが掲げられていますが、会社として大事にしていることなどありますか
小林さん:
会社として地域貢献を非常に大事にしていまして、その一環としてSDGsへの取り組みを行っております。また、新技術などを積極的に取り入れることで作業の簡素化を実現していきたいとも考えております。こういった取り組みを情報発信することで、魅力的な会社であると思っていただき、入社のきっかけなどにもしていただきたいという想いもあります。
重要な業務でありながら煩雑な配筋検査業務
ー配筋検査業務についてはどのような課題感を持っていたのでしょうか
小林さん:
鉄筋はコンクリートを打つと見えなくなるものでもありますので、品質の担保のためには記録をすることが非常に大事になります。そしてこの記録を残すための検査については、鉄筋に対してマーキングをして、色ごとに分けて、などの工程があり、それを鉄筋を組んでから1~2日くらいかけて行っておりました。この多くの工程が非常に煩雑であり時間もかかるため、社員の負担になっていると感じていました。
ー何か解決のためのシステム導入などの検討はされましたか
小林さん:
実は1年ぐらい前にModelyとは別のシステムを試したことがありましたが、ピッチなどの検査項目を手軽に検測できる機能はなかったことから解決につながるシステムとは言えないものでした。その後も配筋検査については簡素化したいなと常々思っていたところに、御社からの連絡がタイミングよくあったのでModelyを検討することになりました。
2~3人で1時間かけていた作業を1人で30分で完結
ーどのような点を評価してModelyを導入いただいたのでしょうか
小林さん:
先ほど申し上げたようにタイミングが良かったというところはあります(笑)。ただ、実際にデモをしてもらったり触ったりしてみた時に、これは発注者に認められれば生産性が大いに向上するというのが肌感覚でわかりました。配筋の点群取得から帳票作成まで一連で実施できることや、かぶり厚などの測定も精度高くできるという点などを評価して導入してみようとなりました。
ー具体的にはどの程度作業時間は短縮されたのでしょうか
菊地さん:
従来の手法で検査を行う場合ですと、2~3人で1時間程度はかかっていた作業が、1人がぱっとipadを持って行って30分かかるかかからないか程度まで短縮されました。
現場社員「楽だね」発注者「どんどん使って」といった声も
ーModelyを使ってみて現場社員の方からはどのような反応がありましたか
菊地さん:
社員に使わせてみたところ、「楽だね」という声があがっていましたね。一方で「これは一回では使い方を覚えられない」という声もありました(笑)。複雑ではないですが、操作としては覚えることがありますからね。
川北:
Modelyはお客様自身に操作をしていただいてモデル化や帳票作成を行うため、ある程度操作に慣れていただく必要があります。菊地様のおっしゃる通り複雑ではありませんが、皆様に使えるようになっていただくために導入企業様にはCS担当をつけてサポートをさせていただいております。
ー発注者様からの反応はいかがでしたでしょうか
菊地さん:
発注者様からは、「こういうのはどんどん使ってね」というような反応で、前向きなように感じました。ただ、一つ言われたのが、帳票について国交省フォーマットになっていないのでそのあたり対応してほしいな、とのことでした。
※インタビュー時点ではリリースされておりませんでしたが、Modelyは現在、福井コンピュータ様のEX-TREND武蔵との連携機能により国交省が用いる帳票に対応いたしました。
ーModelyの具体的な活用方法について教えていただけますでしょうか
菊地さん:
現在社内の品質証明の検査で使用しています。
小林さん:
遠隔臨場のように検査を実施しておりますが、3Dモデルで見せることが出来るのが良いですね。
菊地さん:
そうですね。ただモデルを見せるだけではなくて、写真をアップロードする機能を活用して全景写真をつけながら、作成したモデルを3次元的に見せるなどしていて結構わかりやすいと評判になっています。
Modelyがスタンダードな管理手法となってほしい
ー使用された現場はどのような現場ですか
小林さん:
ボックスカルバートや擁壁工事にて活用しています。現時点では従来の管理方法とModelyによる管理を同時に行っていますが、将来的にはModelyのみで完結したいと思っております。
ーModelyのみで検査を完了することは可能でしょうか
菊地さん:
機能面では、現時点でもModelyのみでの検査は出来ないことはないと思っています。ただ、点群取得の操作面への対策や、より細い径の鉄筋に対する精度向上などの課題はあるのかなと感じていますので、ここは今後のさらなるアップデートを期待したいところです。
小林さん:
Modelyによる配筋検査がスタンダードな管理手法となれば、大きな生産性向上が期待できます。そのためにも発注者への働きかけが重要になってくると思います。こちらも今後期待したいところだと思っています。
さらなる発展に期待
ー今後のModelyの活用についてお聞かせください
小林さん:
現在は配筋検査の一手法としてModelyを活用していますが、将来的にはCIMで作成したデータとModelyでの取得データが比較され、鉄筋全体の品質が確保できるとよいと思っています。発注者からも将来の維持管理の観点で鉄筋の正確な配置記録など期待するところと言われています。Modelyにはこれらの活用の可能性があると感じていますので、もし現場での実証実験等我々がお手伝いできるところがあれば協力します。
※古郡建設の皆様と弊社CS担当川北、CTO佐藤、開発マネージャー中野
LiDAR付きのiPad等を活用することで点群データを取得し、その点群データを3次元モデルに変換することで、配筋検査における検査項目の実測値を自動で帳票化することが可能です。
NETIS登録技術であり、40社以上の企業にご導入いただいている実績豊富なサービスです。
「Hatsuly」は、スマホやタブレットで取得したはつり箇所の3次元データを利用して、1人ではつり深さやモルタル量を自動算出し、帳票を作成できるアプリです。3次元データや帳票を発注者と共有することができ、オンライン上で検収を完了できます。