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【導入事例】新駅の新設工事にてModelyを活用!写真管理の省略と帳票作成の効率化で約7割の省力化を実現!(大鉄工業株式会社&西日本旅客鉄道株式会社)

作成者: CSチーム|2024/07/02 9:39:52

1943年に誕生してから現在に至るまで、鉄道インフラの建設整備に貢献している大鉄工業株式会社。今回は、鉄道工事に精通したスペシャリストである大鉄工業株式会社と発注者である西日本旅客鉄道株式会社の両社に、Modelyを活用した品質管理についてお伺いしました。

 左から
吉川様(西日本旅客鉄道株式会社本文中ではJR西日本と表記)
大橋様(西日本旅客鉄道株式会社本文中ではJR西日本と表記)
市川様(大鉄工業株式会社)
布袋様(大鉄工業株式会社)
江藤(DataLabs株式会社)

 

鉄道工事に精通したゼネコンとしてJR西日本とも深く連携

ーまずはじめに大鉄工業株式会社がどのような会社か教えてください

布袋さん:弊社はJR西日本のグループ会社ということで、鉄道に精通したゼネコンです。鉄道だけではなく、他のインフラについても工事をする機会があるため、鉄道工事で培った技術を他の工事へ活用しています。さらに、他の工事で培った技術も鉄道工事に還元して活かしています。

特に鉄道工事に関してはメイン事業ですので、新設工事も維持補修工事も共に力を入れております。エリアとしては、近畿圏をはじめ北陸をカバーしております。

ー本日は発注者のJR西日本様にもご参加いただいております。JR西日本と大鉄工業の関わりについても教えていただけますでしょうか

吉川さん:弊社の鉄道工事については、昼間であれば、電車がすぐ近くを走っている状況での作業となり、夜間は電車が走らない決められた時間の中での作業となり、いずれも電車の運行を妨げることがないようにルールがたくさんあります。電車を安全に走らせながら工事を確実に実施するためには、このルールを含めて鉄道工事に精通している必要があります。

大鉄工業さんは先ほどのお話にもあったように、鉄道工事を熟知しています。そのため、一般的なゼネコンさんにも工事をお願いすることはありますが、大鉄工業さんにお願いする機会が多いですね。

 

帳票出力などによる省力化や3次元データ活用の拡張性を期待

ーModelyを知っていただいたきっかけはなんでしょうか

布袋さん:私は大鉄工業の土木本部の土木技術部という部署にいますが、色々なICTやソリューションの情報を収集し、現場に提供するという役割を持っています。

その中で、一昨年から配筋検査システムの情報収集をしていました。その際には、写真を使用した配筋検査システムを、3種類ほど現場で試してみました。試した結果、まだ現実的に現場で使うには難しいと、私も現場の担当者も思いました。

他に良いシステムはないかと探す中で、これまで試行した写真を使用した配筋検査システムではなく、点群を使用した配筋検査システムであるModelyを見つけました。

ネット上での情報収集や展示会での説明などを受けて、これは使えるかもしれないと思いました。

そんな時に、JR西日本さんも参加していたJR関連の勉強会の中でもModelyの紹介があったので、使ってみよう!となったのが始まりだったと思います。

 

ー写真を使用した配筋検査システムでうまくいかなかった理由はなんでしょうか

布袋さん:多くの要素がありますが一例を挙げるとすると、専用のデバイスを使用しなければいけない、撮影者の技量が必要、指定された撮影距離で撮影するために現場で工夫が必要、撮影できた場合でもうまく計測できる時とできないときがあり再現性の確保が難しい、などがありました。

こういったうまくいかない要素があったため、現場に使ってもらうには難しいと悩んでいました。

一方でModelyの点群を使うという切り口は良いなと思いました。点群であれば配筋検査のためだけのデータではなく、他の取組にも発展できる可能性があると思いました。

 

ーJR西日本としてはModelyについて最初にどのような印象を持ちましたでしょうか

 大橋さん:Modelyの活用を進める前に、動画データを3次元化するシステムを配筋検査に活用しようとしたのですが、配筋検査という観点では帳票作成が出来ないなどの要因で省力化につながりませんでした。

 Modelyは鉄筋の点群データを3次元モデルに変換して必要な検査項目が算出できたり、帳票出力ができたりするなど、省力化につながりそうだなと感じました。

 可能性を感じたため、まずはやってみよう!となりました。

 

Modelyの活用で写真管理や帳票作成を省略!従来方法と比較して約7割の省力化を実現!

ー現在Modelyをお使いいただいてる工事について教えていただけますでしょうか

市川さん:現在Modelyを使用している現場は、姫路駅と英賀保駅の間に新しい駅を新設する工事です。上下線、相対式の駅です。

現在は主に建物の基盤となるような構造物を作っています。地盤を支えるための擁壁や基礎、ホームの地盤となるようなコンクリート構造物を扱っています。その中で鉄筋を使用している部分の検査でModelyを活用しています。

布袋さん:元々、この手柄山周辺の開発を行う姫路市のプロジェクトがあり、その中の一つとして新しい駅を作ることになり、現在工事を行っています。

引用:https://www.city.himeji.lg.jp/shisei/0000009006.html

ー従来はどのように配筋検査を行っていたのでしょうか

市川さん:従来のやり方としては、検査箇所についてロッドを当てて写真を撮り、帳票を作成するという流れで行っていました。計測においてはロッドを当てる人と写真を撮る人の2人が必ず必要になることから労力がかかっていました。そこからさらに帳票を作成するため、多くの時間がとられていました。

 

 ーModelyを使ってみていかがでしたでしょうか

市川さん:Modelyを使用することで、一人で計測が出来ることや、帳票作成も自動で簡単に出来るなど、大幅な省力化の効果を感じています。

検査箇所の大きさなどにもよりますが、どのような箇所でも約7割ぐらいは時間や労力を省力化できていると思います。

布袋さん:構造物の種類によって異なりますが、従来より、帳票は基本的にほとんど全数作成することで品質証明をしております。また、写真による品質証明についても、決められた割合に応じて実施しておりました。

現在では、Modelyを活用することで、量の多かった帳票について自動化により省力化できています。また、写真による品質証明をしていた箇所についても、多くの箇所で写真を省略できているため、この現場だけではなく他の現場での同様の省力化効果が見込めるのではと感じています。

ーModelyの使いやすさについての評価はいかがでしょうか

市川さん:鉄筋のモデル化については継手長の計測を含めてとても使いやすいです。一方でまだModelyを完全に使いこなせているわけではなく、領域指定による全自動でのモデル化や鉄筋の種別を作成する機能など、使いこなせるようになったらさらに生産性が上がるなと思っています。

鉄筋の種別作成機能のイメージ。主筋、配力筋などをグルーピングし色を変えて管理することが可能。それらを属性情報として配筋後の3Dモデルに格納することも可能となる。

また、当初、点群取得についてScaniverseを使用していましたが、現在はPix4DPIX4Dcatch+PIX4Dcloud、以降Pix4Dと記載。)を使用しています。広範囲の点群取得や点群取得の安定性が優れていることから、以前よりも安定して計測を行うことが出来ていると感じています。

 

ー精度面は問題なかったでしょうか

大橋さん:精度面については、国交省のフォーマットに沿って精度確認を行い、三人程度に計測をしてもらい問題ない精度が出ていることを確認しました。

市川さん:使用していても大きな誤差や、モデル化の誤検知のようなこともPix4Dを利用してからはほとんどないので、安定しています。

 

ー発注者であるJR西日本から見てのModelyの良いところはどのようなところでしょうか

大橋さん:これまでは保守部門への引き継ぎをする際には、写真や出来形図といった2次元データを渡していました。今回、Modelyを活用することで、現場そのものといえる3次元のデータを渡せるので、活用の幅が広がるのではと考えています。

その他帳票についてφ単位での表記だけではなく㎜単位での表記がされると良いなと思っていましたが、こちらはアップデートで対応いただけたので良かったです。



他の現場への横展開を想定して新しい取組をアジャイル形式で挑戦

ーJR西日本、大鉄工業で新しい取組を多くされているように感じますが、何かプロジェクトとしてやられているんでしょうか

大橋さん:元々は、JR西日本として2027年に向けて、中期経営計画の中で生産性の向上を進めていく方針がありました。その中で、この現場は特区として進めていくことになったという背景があります。

布袋さん:従来では、新しい取組を行う場合は、従来方法と新しい取組を2重に行う必要がありました。そうなると、現場としては手間が増えるだけという状況になってしまい、中々新しいことをやろうとしても進まなくなってしまいます。

今回の現場は特区ということで、従来ルールに縛られず新しいことに挑戦していくことが出来るため、
Modelyを含めた新しい技術による生産性向上を実現できていると感じます。

吉川さん:人口が減っていく中でDXを進めていくことは会社にとっての課題としてあるため、現場管理は出来る限り省力化をしていきたいと考えています。また、これは施工会社としても同じ状況です。そこで、この現場については比較的シンプルな構造物ということもあり、まずはこの現場で新しいことを試してみて、うまくいった内容は他の現場に展開することを考えています。当然ながら、ちゃんとした構造物を作るための押さえるべきポイントは押さえた上での挑戦ですが、まずはやってみよう!という感じです。

大橋さん:まさにアジャイル方式での挑戦ですね!

 

頻度高いアップデートが素晴らしく今後も期待が出来るシステム

ー現在のModely評価についてはいかがでしょうか

市川さん:10点満点で8点というところかと思っております。

布袋さん:何点が合格?(笑)

市川さん:8点は私の中ではかなり高得点ですよ!(笑)

大橋さん:10点満点の8点ですもんね(笑)

市川さん:残りの2点については、今後の機能改善や機能追加でさらに省力化が出来ることを期待しての2点ですね。ただ、現状でも大幅に省力化は出来ているので、良いシステムだと思います。

布袋さん:型枠を組む前に、仮想の型枠をModely上で作成して、かぶり厚を事前に正しくとらえられると良いなと思っていまして、最近バーチャル型枠機能が追加されたと伺いましたので、それも試してみたいですね。

 

ー弊社のModelyはお客様のフィードバックを踏まえて頻繁に機能アップデートを行っていますので、ご期待いただければと思います

布袋さん:機能アップデートの頻度は、素晴らしいなと思って見ています。私は役割上、色んなシステムを見ていますが、アップデートの頻度がどの程度あるのかというのは注目して見ています。

頻度高くアップデートがあるシステムというのは、ユーザーからの期待度が高いということや、アップデートを実施できるリソースがあるということだと思います。色んなシステムを見ている中でも、DataLabsさんのModelyはアップデートの頻度、スピード共に素晴らしく、今後に期待が持てるなと思っています。

 

ーその他、Modelyに今後期待することとしては何かありますでしょうか

布袋さん:今後システムが複雑化していくのではなく、使う側の人間が専門家ではなくても取り扱いできるような方向性で進化していただけると良いなと思っています。

例えば、システムの自動化がより進む、データのシームレスな連携といった方向性での進化を期待しています。

市川さん:今は私が一人で計測や解析作業などもやっているので、布袋さんが言ったような方向性で進んでいただけると、分業がしやすくなるので嬉しいですね。

大橋さん:JR西日本では、施工会社さんとは受発注者間の情報共有システムでやり取りを行っていますが、そういった外部システムとの連携なども検討いただけると確認の手間を減らしたり、管理がしやすくなったりするのではないかなと思います。

江藤:弊社としても、受発注者間の確認がクラウド上で完結するような姿を目指してはいるので、自社の機能開発や外部システムとの連携も含めて検討し、期待にお応えできるように進めてまいります。

Modely

LiDAR付きのiPad等を活用することで点群データを取得し、その点群データを3次元モデルに変換することで、配筋検査における検査項目の実測値を自動で帳票化することが可能です。

NETIS登録技術であり、80社以上の企業にご導入いただいている実績豊富なサービスです。